ああいゑばこう言う

 人のことば尻を取ってああだこうだと難癖をつける

合縁奇縁 気が合う合わないも何かの因縁で不思議なものだ

 〈縁は異なもの

あいが遠うなりゃ契りも薄い去る者日々に踈し

 親しい間柄でも遠ざかると次第に交情が薄れる

 ②愛が冷めると約束事も薄らぐ 【間・愛】語呂合せ

挨拶にゃ銭金ゃ要らん(礼節)

 挨拶を交わすのは簡単。誰にも気持ちよく挨拶しよう

逢いたいちゅうても こちゃ知らん 魚名【鮎・鯛・鯒】語呂合せ

 当人どうしの約束事は相談に乗れない

相手のいない喧嘩はできん 相手になるから喧嘩にもなる

会うは別れの始めなり生者必滅 会者(えしゃ)定離(じょうり)〉〔揚貴妃〕

 会う者は必ず別れる運命にある

青田から飯になるまで水加減

 稲の栽培にも米を炊くにも水加減が難しい(農事)

青田と我子褒めるは馬鹿のうち

 青い稲の頃はすくすく育っていても、思わぬ干ばつや災害に遭うこと があり、
収穫してみないと予測ができない。

 ②我が子の自立も予測はできない。

青菜に塩〔女房気質〕 塩をかけるとしおれて元気が無くなる

青菜湯掻きは男に見すんな

 極端に減る事を知らない男に無用な疑いを抱かせない

青は藍より出て藍より青し出藍の誉れ〉〔荀子 勧学〕

 青色の染料は藍からとるが、原料の藍より青い

 ②師匠より弟子が優れる 親より子が優れる

秋風と夫婦喧嘩は夜には凪ぐ 夜になると何故か穏やかになる

秋財布に春袋 【秋・空き】【春・張る】語呂合せ

秋鯖は嫁御に喰ゎすんな 美味しい ②寄生虫がいる

商いは牛の涎(よだれ) 〔日本新永代蔵〕 急がず粘り強く交渉せよ

秋なすびは嫁御に喰ゎすんな 〔毛吹草〕

 美味しい ②灰汁が多い ③種が少ない

秋の一日 千日に当る(農事)

 収穫時の一日は貴重 農閑期の千日分に値する

秋の日は釣瓶落し 落日が早い(農事)

秋の夕焼け鎌を研げ 明日は晴天になる(気象)

悪妻は百年の不作悪妻は六十年の不作

 悪妻は子孫に悪影響を及ぼし繁栄をもたらさない

あくしゃもんにもとりえ

 役立たず者と言われていても人の役に立てる事がある

悪銭 身に付かず 不正に得た金は詰らぬことで使い果てる

上げ膳喰わぬは男の恥 女の気持ち、気づいてよ

朝雨に女の腕まくり 午後は晴れる(気象)

朝雨に傘要らず 午後は晴れる(気象)

朝雨には馬に鞍置け (気象)

朝雷は 井手落とし 井手堰が落ちる程大雨が降る(気象)

朝雷には傘持つな 昼には晴れる(気象)

朝雷に川渡りするな 大雨の前兆(気象)

朝雷に戸を開くんな 大雨の前兆(気象)

朝霧(朝(もや))は晴れ 午後は晴れる(気象)

朝曇り昼日照り 午後は晴れる(気象)

朝酒は女房を質に入れても飲め

 朝酒は何ものにも変えられないほど美味しい

朝鳶は雨、夕鳶は晴れ 朝から鳶を見る時は雨天

浅田で米取れ 深田で藁(わら)取れ 深田は藁の割に収量が少ない

朝茶は蹴るな 朝茶は良薬だから辞退するな 福が増す

朝茶はその日の難逃れ―七里帰っても飲め

朝露は晴れの前ぶれ 午後は晴れる(気象)

朝虹は雨 夕虹は晴れ 朝虹が掛かると雨(気象)

朝寝・朝酒・朝風呂好きの穀潰し

朝寝坊は八石の損早起きは三文の得

 早朝から仕事に励む者には得がある 富貴のもと

朝の一時ゃ夜の三倍 朝の貴重な時間を無駄にするな

朝の茶柱は縁起の良か 福を招く 縁担ぎ

朝は朝星 夜は夜星 昼は梅干食うて働け

 朝早くから夜遅くまで勤勉に働け

朝曼羅(まら)ン立たん者にゃ銭貸すんな

朝飯喰わん者に銭貸すんな

 精力的に働けなくなったらおしまい 金貸す人もいない

朝ぼっとりの夕ばたばた

 朝はゆっくりしていると夕方に忙しくなる

朝靄(もや) 昼日和 朝靄が深い時は晴天になる(気象)

朝焼けは雨、夕焼けは晴れ 朝焼けは雨夕焼けは晴天

足跡は残らんでも筆跡は残る

 文章にしたものは残るから責任が伴う

明日のことは明日明日は明日の風が吹く〉 取り越し苦労

明日のことは分からない一寸先は闇〉 未来は予測できない

明日の百より今日の五十元旦の百より暮れの五十

 少なくとも現実に受け取るほうが良い

味は塩にあり 味付けの秘訣は塩加減だ

足元見てつけこむ 人の弱みに付け込み無理を押しつける

当った者が ふ()の悪か 災難は思わず降り掛かる

当たって砕けろ 何事も挑戦することが簡要 

頭隠して 尻隠さず〔狭客伝〕〈雉の隠れ〉〔源平盛衰記〕

 欠点は全部隠すことはできない 露見すればむしろ滑稽

頭が廻らにゃ尾も廻らん頭が動けば尾も動く

 主立つ者の行動次第で従う者も行動する(主従)

頭剃るより心剃れ〔鴨長明 歌〕

 見た目には僧侶でも道心が無ければ駄目(形式より精神)

頭の上の蠅を追え 人の世話より自分自身の始末が先決だ

あっちを立てればこっちが立たず 両立は難しい

当てゴテなしでにゃ左官なでけん

 【宛ごて(与える)・左官の鏝(こて)】語呂合せ

暑さ寒さも彼岸ぎり―彼岸まで〉(気象)

 残暑も秋の彼岸まで 冬の余寒も春の彼岸過ぎれば薄らぐ

後足で砂を掛くる恩知らず後足で砂をかける

 恩義を受けながら去り際に恩人に迷惑を掛ける

あなぜん風(北西風)に変われば風雨が止む  (気象)

姉女房は蔵が建つ姉様女房―

 生計上手だから暮しにゆとりがある

あばたもえくぼ惚れた欲目〉 愛する者の目には美しく見える

あぶく銭身につかず 不正に得た金は詰らぬことで使い果てる

(あぶ)蜂取らず二兎追うものは一兎をも得ず〉 一度に両方は捕れない

甘いものには蟻が集る 人は利に群がる

甘いものを貰って油断するな 魂胆がある

雨蛙が鳴けば雨  雨蛙は湿度に敏感 (気象)

雨垂れは石をもほがす雨垂れ石を穿(うが)〉〔曽我物語〕

 微力でも継続すれば偉大な力となる

甘やかし子は役立たず 子育ては厳格にするべきだ(教育)

雨はひゆうじ(不精者)の頭に最初に落ちる

 雨の降り初めに気づく程 仕事に散漫(農事)

雨降って地固まる 〔毛吹草〕 いざこざの後でよく纒る

雨前の鰯雲(うろこ雲) 鰯雲(うろこ雲)は雨の前兆(気象)

泡銭(あぶくぜに)身に付かず悪銭身に付かず

 不正に得た金は詰らぬことで使い果てる

過ちを改むるに憚るなかれ〔論語 学而〕

 過失はためらわず改めなければならない

荒草は二十日まで  一番草は田植え後早目の除草が効果的

嵐の前の静けさ 大事件が起きる前の一時の静寂

有るは借銭 無いのが銭

 有りそうで無いのが金 無さそうで有るのが借金

案じてくれるより 金をくれ 現金が有り難い

 人は口先では同情するが実質的な援助はない

案じるより団子汁 案じても仕方ない【案じる・汁】語呂合せ

案ずるより生むが易し〔狂言 悪太郎〕

 実際遣ってみると思ったほどではない 取り越し苦労

あんた百まで わしゃ九十九まで 共に白髪の生えるまで

 夫婦が健康で長生きすることを称えたことば

按摩つかみ取り 坊主丸儲け あんまと坊主は儲けが多い

 

 

言いたい事は明日言えものは言い残せしゃーは喰い残せ

 よく考えて発言すれば失言が無い

言い得聞き損

 積極的に発言した方が得 人の言いなりでは損をする

言って聞かせして見せて誉めてやれ〔山本五十六〕

 言い聞かせて手本を示し、誉めることが人使いのコツ

言うは易く 行ない難し〔塩鉄論 利議篇〕

 言うことは誰でもできるが実行は難しい

言う者にゃ言わせとけ人の口に戸は立てられぬ

 人の取り沙汰は防ぎようが無い

家柄より芋がら―喰いがら〉 【家柄・芋ガラ】語呂合せ

 落ち目の旧家や門閥を嘲ったことば

家の乱れは女から悪妻は百年の不作

 主婦がしっかりしていれば家庭は平和である

家は働かず借金コンクリート(鉄筋)〉投資価値が低い

家持ちより金持ち 現金で利殖したが有利

烏賊(いか)ン男と鱶ン女はおらん

生き馬の目を抜く世の中 世の中にはすばしっこくてずるい人が居る

息の臭さ 主知らず 当人には分からないことが多い

意見と餅はつくほど練れる  練るのは【意見・餅】

 論議を尽くした成案と餅の出来栄えの両義

石の上にも三年〔井原西鶴 織留〕 根気は成功のもと

石は大地の骨 大地の基盤を固めている

石橋を叩いて渡る 用心の上にも用心が肝要

意地張るより頬張れ 食べずに意地張っていても得にならない

石も山の肥 石は山を養っている

医者の不養生 坊主の不信心〔風流志道軒伝〕

 口で立派な事を言う者が実行が伴わない

医者の我身知らず 病を治療する人が自らの病に気づかない

衣食足りて栄辱を知る―礼節を知る〉〔管子 牧民〕

 生活の余裕ができれば道徳心を重んじ身を正すようになる

急がば回れ〔醒睡笑〕〈近道は遠道

 事を急ぐあまりかえって手間取ることがある

(いたち)の最後っ屁 窮したときに非常手段に出る

一円を笑う者は一円に泣く 少額の金でも無駄にできない

一樫 二ぐみ 三かたし(山茶花) 堅い木の序列

一事が万事 一事を見てすべてのことが推量できる

一挙両得 一度の行動で二つの利益を得る 〈一石二鳥

一升の枡にゃ一升しかひゃーらん ものには限りが有る

一升の餅にゃ五升の取粉

 主となる物よりも それに付随する物のほうが多く要る

一寸先は闇〔毛吹草〕〈明日の命は分からない

 未来のことは予知できない

一寸の光陰軽んずべからず〔朱熹 偶成詩〕 一刻も無駄にできない

一寸の虫にも五分の魂 弱小者にも相応の意地も感情もある

一反田作るより一人扶持減らせ

 収入を増やすより支出を減らすことを考えろ

一反百姓じゃ子は養われん一反百姓は人の尻

 小規模の零細農家では生計が立たない

一朝一夕には事は運ばん 物事は長い間の蓄積でできる

一に押し、二に金、三に男前

 女を口説くには押しが強く金が有ること男前は重要でない

一に種、二に肥、三手入れ

 種と肥料があっても手入れを怠れば収穫できない(農事)

一日・十五日は神仏ン花換えろ 神仏礼拝の奨励

一番楽は棺桶の中死ぬほど楽はない

 煩わしい世の中より逃避できたら さぞ楽しかろう

一姫二太郎 第一子が女児で、第二子が男児なら理想的

一文惜しみの百失い安物買いの銭失い

 僅かな金を惜しんで後で大損することを気づかぬ愚かさ

いちゃつきから種が付き 戯れの積りが深い関係になる

一利あれば一害あり 物事には利害両面がある

一を聞いて十を知る〔論語 公治長〕一端を聞けば全容が分かる

何時まっでんあるて思うな 親と銭 親は歳老いる 金はすぐ減るものだ

従兄弟は糸の如し従兄弟糸程〉 【従兄弟・糸】

 親が兄弟でも子の代になれば縁は薄くなる

命あっての物種 生命の尊さ

犬は三日飼えば恩を忘れん 忠犬 人はどうだか

祈るよりがまだせ祈るより稼げ

 他力に頼らず努力によって道を開け

いらん物も三年経てバ為ぇなる

 その時不要な物でも後で役立つ時が有る

入り口のコブの脂 体面を汚す

入るを量って出を制す 収入に応じて支出せよ

色白は七難隠す〔浮世風呂〕 色白は欠点をカバーする

鰯の頭も信心から〔毛吹草〕 信心の対照は何でも構わない

言わぬが花沈黙は金なり〉 言ってしまえばおしまいよ

言わぬは言うに勝る〔源氏物語〕 沈黙でも風情で心が伝わる

 

大釜(ううがま)ン飯に小鍋ンしゃー

 ご飯は大釜で おかずは小鍋で調理したが美味しい

多口(ううぐち)たたきは 引っ込みがつかん 口は禍のもと

多取りするより小取りせろ

 一獲千金を夢見るより小さく堅実にこつこつと働け

多飯(ううめし)喰いは冷ヤ飯嫌わず 大食家は冷や飯でも厭わない

上見りゃ切ンなし 下見て暮らせ 質素倹約の奨励

植えん木にゃ実はならん

 投資しなくては よい結果(果実)は得られない

魚心有れば水心 好意を示す相手には好意で応えねばならない

うかうか三十 きょろきょろ四十

 あっという間に人生は過ぎ去っていく

烏合の衆 烏の群れに例えて、統一や規律の無い群衆のこと

牛の横と馬の後にゃ立つな 蹴跳ばされるぞ

牛は牛連れ 同類がよい

氏より育ち 家柄より環境や努力次第で立派になる

嘘から出た誠 嘘が本当になる場合もある

嘘つきは泥棒の始まり 平気で嘘を言う者は泥棒も恥じない

嘘と坊主の頭はゆう訳いかん 【言う・結う】語呂合せ

嘘も方便嘘も世渡り

 時と場合によっては嘘も円満解決の手段として許される

打たれても親の杖 親から打たれても情が籠もっている

内の米ン飯より隣の麦飯 他人の事は何でも良く見える

内はたがり(はだかる)の 外ぼっそり内閻魔の外恵比須

 内では威張っていても外では意気地無し

内は裸でも外は錦 台所は火の車でも世間並みのつきあいは欠かさない

内股ごうやく〔大塔宮〕〈蝙蝠(こうもり)〉 無定見 ふらふら

鰻と梅ぼしは合食 食当り(生活の知恵)

旨い物喰わする者に油断するな 下心見え見え 油断禁物

旨か物な早よ喰え〈旨いものは少人数〉 沢山食える

馬には乗ってみろ 人には添うて見ろ

 人と親しく交わってみないとどんな人か分からない

馬の後ろと保証人には立つな 災難にあう確立が高い

馬の轡(くつわ)は前から取れ 物怖じせず堂々と取れば暴れない

馬は立たせて飼え 牛は寝せて飼え

 馬には朝餌を与え、牛は夜に与えよ(農事)

海が澄むと雨近し 雨前は海がきれいに澄む(気象)

海千山千 世の中の厳しさや経験を積んだ狡賢い人間

卯味噌、虎酒、辰油  仕込みに不都合な日(農事)

生みの親より育ての親 養い親は愛情もわき 恩義がある

梅は喰うとも核(さね)(実)喰うな 実には天神様が宿る

梅干ン腐った年は用心せろ 俗説

怨みほど恩を思え 怨みは忘れないが、それ程恩を忘れるな

売りことばに買いことば 相手の暴言に対して暴言で応える

売り物には花 商品は飾り立てて見栄えをよくして売れ

瓜ン蔓(つら)にゃ茄子(なす)はならん 血統は争えない

浮気と乞食は止められぬ 浮気癖は直らない

噂をすれば影 噂をしていると当人が現れる

雲泥の差 天と地ほどの差がある

運は正直者の下に宿る 正直者には運が向いてくる

 

  

栄枯盛衰世の慣い 栄えたり衰えたりはこの世の習い

易者の身の上知らず 易者は自分の運命を占えない

会者定離〔遣教経〕 会う者は必ず別れる運命にある

海老で鯛を釣る雑魚で、鯛釣る〉 少ない投資で富を得る

選んでカス掴(つか)  選り好みが過ぎてかえって悪い物に当たる

燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志(こころざし)を知らんや〔史記 陣渉世家〕

 小人物は大人物の心中を知ることができない

縁は異なもの味なもの

 夫婦の縁は常識で考えられないほど不思議である

遠慮ひだるし 伊達(だて)寒し 遠慮すれば空腹、薄着すれば寒い

 

  

お家がらがら火の車 家柄を鼻に掛ける人を罵倒することば

 家柄を誇っていても内情は火の車だとよ

追い詰めるな 逃げ路は残しておけ 恩情〈窮鼠猫を噛む

老いては子に従え〔大智度論〕 老いてからは子供に移譲

老いて再び稚児になる八十の三つ児〉 子供にかえる

負うた子に教えられ 自分より未熟な者に学ぶことがある

負うた子より抱いた子 身近なものを先にし勝ちである

大雪の年は豊年 (気象)

(おだ)てと口車には乗りやすか

 人の煽てと旨い話しにのって得した試しは無い

大費(つか)いより小費いが太か 安価な出費が重なって大きくなる

大阪の喰い倒れ 大阪は食費に金を浪費する

大取りするより小取りせろ

 一度に大儲けするより少しずつ堅実に稼げ

大降り三日なし 大雨が三日続くことはない(気象)

お貸し 下され 貸したら呉れたと思え 返ってはこない

起きて働く果報者 健康で働ける人が一番幸せ者

起きて半畳 寝て一畳 一人が占める面積は誰も同じ

沖の物を得んとして岸の物を逸す

 大利を得ようとして小利をも逃がす

屋上屋(おくじょうおく)を架()屋下屋を架す〉〔顔氏家訓〕 無益な事を重ねる

お里が知れる 言動で生立ちや前身が判る

おしあなん風(南東楓)は強い台風 (気象)

教えるは学ぶの半ば成り 教えることは自ら学ぶことでもある

お世辞言うて陰で謗(そし) 阿(おもね)る者が陰では悪口を言う

遅い助けは助けにならん

遅くともしないよりは益し

煽てと口車には乗り易い

音が近くに聞こゆる時は雨 雨雲が垂れ込める(気象)

夫よければ妻も良し

男が敷居を出れば七人の敵あり 社会活動は容易ではない

男が笑うのは三年に一度 威厳は男の美学とされた

男にゃ家建てさせろ、女子にゃ子産たせろ 夫と妻の役割

男は当って砕けろ男は度胸〉 とにかく挑戦

男は妻から治まる 夫は妻によって人格が完成される

男は松、女御は藤松の力で藤も這う〉〔薩摩歌〕

 頼れる男になれ 女は男を信じて頼れ

男は無口がよか

男やもめにゃ蛆が湧き女やもめにゃ花が咲く

 男やもめには不潔だが女やもめは身奇麗で男にもてる

男ン着物は左前に着るな 死装束

おっとり果報にせかせか貧乏 貧乏人は何時も忙しい

おどま勧進勧進あん人たちゃよか衆 貧富の差

女御は三界に家なし 三界:過去 現在 未来

  幼い時は親に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従い、

女はどこにも安住の家が無いという嘆き

女御は愛嬌、男は度胸 最近は男は愛嬌、女は度胸

女子の一念岩をもとおす 女の執念が根深いことの例え

女御の髪は暴れ馬も繋(つな) 女は男を引きつける強い力がある

女御の寒いと猫のひだるいは手の業(甘え) 

女御の尻と猫の鼻は冷たい

女御の尻と猫の鼻が温いのは土用の三日だけ

女御のそばと火の側は離れ難い 温かい

女御の股力には叶わぬ努力した者には叶わぬ

 努力の【努】の字は【女の又力】と書く

鬼の中にも仏 悪人と言えども良心の欠片はある

鬼の眼にも涙 鬼にも情あり

鬼も十八番茶も出はな 鬼も年頃が良い。番茶も最初は美味しい

己の頭の蠅を追え 自分自身の始末が先決

己責めても人を責むんな〔東照公遺訓〕 我身を反省せよ

帯に短し たすきに長し 中途半端で役立たない

覚えたことは荷にならん 知識は何時か役立つ時がある

お前百まで儂や九十九まで共に白髪の生ゆるまで (共白髪)

 夫婦円満で長寿

お思し召しよりゃ米の飯 心づかいより実物が良い

溺るる者は藁をも掴む 危急の場合は何にでも頼る

お召し買うより オシメ買え 実用品を先に買え

思う事言わねば腹脹(ふく)るる〔徒然草〕 気持が納まらない

思うことは寝言にも言う 自然に寝言にも出る

思えば思わるる 人に好意を示せば通じるものだ

親が親なら子も子 悪い処は親によく似る

親が苦労()すれば 子の白ぅなす【黒魚・コノシロ】語呂合せ

 親の苦労を子供は何とも思わない

親方日の丸 経費は総て親方持ち(浪費の戒め)

親が憎けりゃ子まで憎い〔人丸集〕 子供に罪は無いものを

 〈坊主憎けりゃ袈裟まで憎い

親孝行したい時には親はなし 存命中に親孝行をしよう

親づれより同士ずれ―友ずれ〉 友達の影響を受け易い

親と月夜は有り難い 親下は安心して過ごせる

親に似たガメ()ン子 親に似て長所が無い

親に似ン子は鬼子 子は必ず親に似る

親には一日三度は笑うてみせろ 笑顔で接しろ

親に目なし 可愛さの余り子の悪さが分からない

親鼠を今年生まれた猫が捕る

親の言う事は聞かずとも 親のする事ぁ直ぐ真似る

 子供は親の仕種を見て真似ぶ(学ぶ)

親の意見となすびの花にゃ 百に一つの仇もない

 親は子供の事を思って意見するのだから間違いはない

親の意見と冷や酒は 後でじわじわ利いてくる 思い当たる

親の因果が子に報い〔浮世床〕〈悪業は因果応報

 親の悪業の結果が罪もない子が禍を受けることになる

親の思うほど子は思わぬ

 親は常に子の事を案じるが、子供は親をさほど思わない

親の恩より義理の恩〔妾形気〕 世話になった人の恩が優先

親のカリー(借金)ば コノシロに 【カレイ・コノシロ】語呂合せ

 親の借金のことは、子供の私は知りませんよ

親の苦労子知らず親の心 子知らず

 子を生んで初めて分かる親の恩

親の五十年忌と竹の回し切りは合わぬもの 滅多に合わぬ

親の背中が子に手本親の背中を見て育つ〉 親を真似る

親の罰は子に当る親の因果が子に報ゆ

親の道を子が通る 家業を継ぐのが安全

親の目はひいき目 親の欲目

親の悪さと味噌の腐れは直しが利かん 親の欠点は直せない

親父の足形肥料に勝る 田畑の管理が大事(農事)

親は子の鏡親の背中を見て育つ〉 親の人柄まで写し出す

親はなくても子は育つ〔世間胸算用 井原西鶴〕

 親が死んでも子供はどうにか育って行くものだ

親煩悩子畜生親が苦労(黒魚)すれば 子の白う((このしろ))なす

 親が子供のことを案じる程子供は深く親の事を思わない

親見て嫁もらえ 親を見ればどんな娘かよく分かる

尾を振る犬は叩かれず 従順な者は可愛がられる

温故知新 古いことを深く研究して新しい見解を開くこと

〔論語 為政〕

恩知らずは畜生にも劣る 恩を忘れるな

音痴が歌えば味噌が腐る

女心と秋の空男心は秋の空〉女の心は秋空のように変わり易い

女三人寄れば姦しい 女はおしゃべり好きで喧しい