吐いた唾は飲み込めん ことばも同じ

這えば立て 立てば歩めの親心 子供の成長を喜ぶ

馬鹿と挟みは使いよう 人使いは上手下手の差がある

馬鹿に付ける薬はない〔閑情末摘花〕 馬鹿を直す方法はない

馬鹿の大食い 貪食を戒める(行儀作法)

馬鹿の一つ覚え馬鹿の一念〉 思い込むと夢中になるのが恐い

馬鹿の高笑い馬鹿の白笑い〉 辺り構わず高笑いする馬鹿

馬鹿の高上がり豚も煽てりゃ木に登る

 能力は無いのに能力以上のことを望む

馬鹿を馬鹿にする大馬鹿者 馬鹿に取り合う方が馬鹿

吐き出したことばは飲みこめん ことばは慎重に

履物揃えてなか家には、盗人がひゃーる

 几帳面に整理整頓された家は盗人も苦手らしい

履き物は昼から(午後)下すな 朝から準備せよ

禿(はげ)に怪我なし 毛がなし 【怪我・毛が】語呂合せ

禿(はげ)に馬鹿なし 額に知恵が宿ると言われる

化けの皮が剥げる 地金が出る

禿(はげ)を三年も気付かん 好き同士なら禿も気付かない

箸は貧乏神の杖 俗語

二十歳過ぎた子に意見 ご意見無用

蜂が家ン中に巣掛くる年は台風が来る

 蜂には台風非難の予知能力があるらしい(気象)

蜂に刺された時は小便し掛けろ

 蜂の毒素を尿のアンモニア成分が中和する

八十八夜の忘れ霜 八十八夜過ぎは霜が降りない(気象)

初物喰えば七十五日は長生きする 俗説

初物は東を向いて食べろ 東の太陽に感謝

鼻くそ丸めて万金丹 薬の原料が不明なことの例え

話上手は聞き上手 話上手は相手の話しもよく聞く人だ

話上手は仕事下手 話してばかりで仕事が捗らない

話は胸で聞け 判じて聞け

話半分 嘘八百 人の話には信憑性が薄い

花好きに悪か人間なおらん 花は心を癒してくれる

歯・目・曼羅(まら)から弱り出し 体の衰退の順序

早い者に上手なし 早かろう悪かろう 仕事は入念に

早起きは三文の得 早起きすると得が多い

早捌けの仕事下手 急いでした仕事は雑である

早飯 早糞 早算用 人に使われる者には大切な特技だ

妊み女に火事見すんな ほやけ子を生む 俗説

腹立てるより義理たてよ 人には義理をたてるのが肝要

腹八分に医者要らず 八分目程度の食事をしていれば健康

針の穴から世間を覗く 狭い見識で世間を見る

春の三日晴れなし (気象)

 

  

火遊びすれば小便しかぶる 子供に火遊びを戒めることば

(ひいき)の引き倒し 贔屓し過ぎてかえって相手を不利にする

日陰の恥を日向に曝す 暗闇の恥を明るみに出す

日暈雨傘 月暈日傘 太陽に暈(かさ)があれば雨(気象)

東に井戸 西に便所は鬼門 易学

彼岸過ぎて麦の肥 彼岸過ぎの追肥は効果がない(農事)

彼岸花ン汁がひっ付けば瘡ン出来る 皮膚がかぶれる

低い所に水溜まる 欠陥に向かって攻撃を集中する

飛行機雲がすぐ消えないときは雨前 (気象)

左利きは器用者 俗説

(ひさし)貸して母屋取らるる 恩を仇で返す

ひだるさがゴッツォー 腹が減るとまずいものなし

日照りに不作なし

 米作には日照の多い年の方が収穫量が多い(農事)

人が踊る時ゃ踊るもん 人と同調する事も大切だ

人酒を飲む 酒人を飲む〔法華経抄〕

 人は酔えば自制心を失い 酒に飲まれて乱れる

人魂(火の玉)ン出れば身内に不幸がある 俗説

一つ歳上の嫁ごは金のわらじ履いても探せ

 年上女房は遣り繰り上手で福がある

人には添うてみろ 馬には乗ってみろ〔仮名手本忠臣蔵〕

 親くしないと本質は分からない

人の一生はあざなえる縄の如し〔淮南子〕

 人生の禍福は予測できないものだから禍を悲しむにあたら

 ず福を喜ぶに足りない 禍を憂えず福を喜ばず

人の過ち 我が幸せ人の不幸、我が幸せ

 人の失敗や不幸を喜ぶ考え方をたしなめる

人の意見四十まで 大の大人に意見はいらない

人の痛みは三年でも我慢できる 同情せず傍観する

人の噂も七十五日 自然に忘れられる

人の縁は合縁奇縁 人の縁は計り知れない不思議なものだ

人の口には戸は立てられぬ〔最明寺百人上臈〕

 防ぎようが無い おさまるまで待つしかない

人の心は落ち目の時こそ良く判る

 困っている時、恩情掛けてくれる人は尊い

人のことより頭の上の蠅を追え まず自分の始末が第一

人の午蒡(ごぼう)で法事する 自分だけ虫の良いことをする

人の花は赤こう見ゆる 人の物がよく見える

人の非を謗らず 甲斐なき事を悔やむな

 人を非難したり仕方ないことを悔やむな

人の振見て我が振直せ我が癖直せ〉〔都気質〕

 人の行為を反省の材料にして 自分の行為を正せ

人の褌(ふんどし)で相撲とる人の午蒡(ごぼう)で法事する

 自分だけ虫の良いことをする

人の周りは回んな 葬式で回る(行儀作法)

人の物は自分の物自分の物は宝物 貪欲を戒める

人の悪きは我が悪きなり 原因は我にあり

人は一代 名は末代身は一代―〉

 人は死ねば終り 名誉を重んじ 後世に名を残せ

人は泥棒 明日は雨と思え 先ず疑って用心せよ

人は人中 田は田ン中 人は他人に揉まれるが良い

人は満ち潮に産まれ、引潮に死ぬ 俗説

人を見て法を解け 人柄に応じた処置をせよ

人を以って鏡となす〈人の振り見て我が振り直す〉

一人口〈一人扶持〉は食えぬが二人口は食える

 一人暮しは無駄が多いが結婚すれば経済的に暮らせる

一人自慢の褒め手なし 自慢はせぬがよい

一人旅はするとも三人づれで旅するな

 三人いれば意見をまとめるのに遠慮や苦労がある

火に油注す 災いを更に拡大させる

火の気の無い処から煙りは立たぬ〔耳談続纂〕

 全く事実がなければ噂はたたない

百姓百品 百姓は色々な品を栽培する(農事)

百姓百増倍 薬九増倍 魚三増倍 坊主丸儲 按摩(あんま)掴み取り

 利が多い職種

百万長者も一銭から 金は中々貯まらないものだ

百聞は一見にしかず〔漢書〕 百回聞くより一度見たことは確

 ②聞いたことは正確ではない

百里の道も一歩から どんな大事業も第一歩が大事

冷酒と親の意見は後で利く 後で思い当たることがある

ひゆうじ(不精者)の一時働き 不精者は根気がない

ひゆうじの隣働き 隣の加勢にはご馳走が出る

ひゆうじの節句働きひゆうじの盆働き〉(農事)

 祝祭日は仕事を休むのに不精者が働くことを嘲って言う

病気見舞いに鉢物は遣るな 【根付く・寝付く】

昼から履物は下ろすな 俗説

昼の茶柱は災難に逢う 俗説

貧乏に恐いものなし 失うものが無ければ気楽なもの

貧乏人に苦労はない

貧乏人の子沢山 必要以上に子供が多い

貧乏花好き 境遇と不釣合い

貧乏暇なし〔世話尽〕 生活に追われ時間の余裕がない

 

  

夫婦喧嘩は犬も喰わん

 内輪の一時的事だから他人の仲裁は愚かな事だ

夫婦喧嘩は一晩寝ればなおる なぜか直る

夫婦の愛は連れるほど深まる偕老同穴

 長い夫婦生活で理解が深まる

夫婦は二世 夫婦の関係は来世まで続くほど深い

夫婦は連れるほどに似てくる似たもの夫婦

 長く夫婦生活を続ける内に性行が似かよってくる

夫婦は持ち合い凭れ合い 持ちつ持たれつ

覆水盆に返らず〔拾遣記〕 取り返しがつかない

服装の乱れは心の乱れ 心は服装にも表われる

河豚は食いたし命は惜しし 望みと結果が両立しない

河豚(ふぐ)に当たったら泥中に首まで埋めろ

 土には毒素を排出する作用があるのか

服装は人格を表わす 人は外観や印象で判断する(礼節)

ふちゃぁ()の広か者な頭ン良か 知恵は額に宿る

父母の恩は山より高く海より深し 父母の恩は広大である

冬の一つ雷は虫脅し 春の訪れ(気象)

 

  

屁糞かずらも花盛り鬼も十八

 どんな花でも盛りの頃は美しい〈鬼にも盛りがある〉

へそのごまをくじれば腹がせく 腹痛

下手な鉄砲も数撃()ちゃ当たる まぐれ当りもある

下手の考え休むに似たり 良い考えが浮かばず時間の無駄

下手の長糸 裁縫で長糸は能率が悪い

下手の長談議 長話しは聞く人が退屈する

下手の横好き 下手な癖に何にでも興味を示す

蛇が出ると雨 (気象)

蛇が道を横切れば金が入る 縁起担ぎ

蛇に噛まれて 朽ち縄(なわ)に怖じくる

 恐かった経験に懲りて必要以上の用心をする

蛇の抜け殻バ財布に入れとけば銭に不自由せん 俗説

蛇の夢をみれば銭が入ってくる 俗説

蛇を早く見る年は酷暑になる  (気象) 

屁と火事は元から騒ぐ 張本人が最初に騒ぐ

屁放(へひ)り出しゃ嗅み出し 本人が真っ先に匂う

屁は肛門の欠伸(あくび)びなり 非礼を笑い飛ばす

屁は人の笑い種(ぐさ) 笑い臭(くさ)

便所掃除すれば美人の子を産つ(家庭教育)

 

  

坊主丸儲け 元手いらずで丸々儲けになる

菩薩俯く 内容が充実している人は謙虚である

菩薩(ぼさつ)(つら)の内心夜叉顔に似ぬ心の内

 優しい顔をしていても人の内心は判らない

菩薩は実が入れば俯き 人は実が入れば上向く菩薩俯く

 虚勢張る者を戒めることば

星が瞬くと時化る (気象)

星空の翌日は晴れ (気象)

保障人と馬ン尻には立つな 危ない危ない

(ほぞ)を噛む 自分のヘソは噛めない 後悔する例え〔左伝 荘候〕

仏放っとけ 神構うなさわらぬ神に祟りなし

 神仏にはあまり深入りしないが良い

仏の顔も三度

 何度も慈悲に背けばどんなに柔和な者も仕舞いには怒る

施しは買うてでンしとけ できる施しは進んでせよ

骨折り損のくたびれ儲けしんどう損の―〉

 苦心しても疲れるだけで効果がない

誉められて腹立てる者なし 誰しも甘言は快いもの

誉められて油断するな お世辞を使う者には警戒せよ

惚れた目にはあばたもえくぼ

 惚れた相手の欠点は見えなくなるもの

惚れて通えば千里も一里

 好きな人の所へ行くのは遠くても厭わない

本貸す馬鹿 返す馬鹿 貸した本はなかなか返らない

盆の十六日は地獄の釜の蓋(ふた)もあく〔新永代蔵〕

 地獄も休みだからこの世も休みにしよう